2009/09/18

エコカー激突!  次世代エコカー開発競争の真実

※ 今日読み終えた本 ※
著者:館内 端
発行:株式会社 技術評論社
2009年8月 5日 初版 第1刷発行

書名:
エコカー激突! 次世代エコカー開発競争の真実

面白い本だった。色々とエコカーや次世代の車について、TVの報道や新聞その他で
断片的に見聞きはしていたが、理論整然と体系的に説明された本だった。
これからのエコカーは何故、必要とされているのか、その技術は何かが丁寧に説明されていた。

もう昔になるが、学生時代に「マスキー法」が話題になった。
夢の法律、誰(どこの会社)が到達すのか、と感心をもったものだ!
「技術は戦争によって発展する」と言われていた頃に、
戦争と無縁な技術が成立するのか、という感心もあった。

難しい話は色々あるが、判りやすく説明がしてあり、楽しかった。
結論としては、
1.石油枯渇に対応できる車
2.地球温暖化を防ぐ車
これを満たす車が次世代のエコカーということであった。
現在、このことで技術的(量産車両のレベル)に確立しているメーカーはホンダとトヨタとのことであった。
他のメーカーは後発メーカーに位置付けされ、時間的、資金的側面で、電気自動車の開発に向かうとのことであった。

しかしながら、著者が大切にし、我々に伝えたいことは、現在のレベル(利用レベル)を維持することを目的にしてはならないことだった。
新しい技術の中で、新しい文化と新しい価値観が生まれることである。
このことは大変に新鮮に感じた。まさしく、著者が述べている通りだと思う。
石油が無くなり、それに変るエネルギーを同じ価値観で大量消費しても無意味である。
著者は最後の章で、カトマンズで動いている「サーファー・テンポ」という簡易型電気自動車の紹介をしている。
電気自動車を造る技術は難しいものではない。ただ、要求レベルを満たそうという時に困難がある。
そこには、文化、価値観そして合理性から適切な次世代のエコカーが生まれることを示唆されていた。
その点で非常に勉強になった。
電気自動車は、1Kmを2円で走るがガソリン車は1Kmを12円強で走る。
発生するCO2は6倍強である。
価値観、合理性そして文化を新たに創造しなければ、適切なエコカーが生まれないことが良く判った。
技術も、製法も、材料もある。
足りないのは、文化と価値観である。
或いは、今、世界がおかれている状態の正しい認識なのかもしれない。

今度生まれた民社党政権が、どうエコ政策を指導出来るのか、興味が残ることである。


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