2009/05/02

クラウド グーグルの次世代戦略で読み解く2015年のIT産業

※ 今日読み終えた本 ※
著者:小池良次
発行:株式会社 インプレスR&D
2009年3月1日 初版1刷発行

書名:クラウド グーグルの次世代戦略で読み解く2015年のIT産業

この連休の中盤の1日・2日を掛けて読んだ。
連休の序盤、出勤もあったが、家でゴロゴロの時、インターネットのAmazon.co.jpで見つけ、コンビニ受取りで購入した。
Amazon.comは北米に居る時、購入経験があるが、日本では初めて使ってみた。他に、公的認証のICカードのリーダー・ライターも同時に購入した。

企業のみならず、家庭にもネットの世界は拡大している。企業でもIT設備及びその運用費用は年々拡大の一歩である。30年前、「コンピューターは麻薬で、一度手をつけると、離れられなくなり、拡大するばかり」と言った先輩がいたが、正に、その通りである。企業のみならず、家庭でも同じである。我家には、9年前のラップトップと5年前のノートPCの2台でWin-XPで稼動させているが、もう限界の状態である。2台ともメモリーは増やしたものの、ストレージが現状とマッチしていない。世代交代の時期であるが、Vistaの購入には躊躇している。次の世代がもうそこに来ているので、どうしても、そちらを待ちたい。

本論から離れるが、我家でも同様だが、ストレージ(情報保管)の確保と処理能力(コンピューターの処理)の確保に苦労がある。家庭では、Webになり、PCのアプリは、Officeと画像処理(デジカメ用)でほぼ事足りる。しかし、企業では、情報収集の前に情報作成する仕組みが巨大化している。更に、この作成された情報を活用する仕組みも巨大化している。情報産業(含む、金融)であれば、情報処理はコア・コンピタンスであり、戦略投資も可能であろう。だが、一般企業、取り分け、製造業や商店では情報設備にカネを掛けている状態ではない。
そんな時、「クラウド」の話をテレビ(NHKの「クローズアップ現代」)で聞いた。でも何か違和感を覚えた。自分が描いているネットと情報と処理の集合体のイメージとは合致しなかった。単なる「ASP」の延長の印象を受けた。

今回、小池氏の本を読み、自分が想い描いている像と結び付きが出来た。より、鮮明になったと言える。彼はこの本の中で、クラウドコンピューティングを下記の表現を使っていた。
①クラウド時代になると社内からサーバーがなくなる
②従業員は必要なアプリケーションを自分で書くようになる。
③ソフトウェアとコンテンツの区別がなくなる
④サービスにおいてパソコン・携帯電話・テレビの違いがなくなる

正しく、自分の描いていた像が、彼の簡潔な表現でまとめらていた。
以前、「シン・コンピューター」が情報セキュリティーの切り口で、検討・実施されつつある。また、市場では5万円を切るネット専用のモバイルPCが販売もされている。こういうデバイスを含めた処理形態がもう、そこまで来ているのである。
彼の表現では「M to M」(マシン to マシン)の世界である。ロボットと同じである。

こういう時代の社会が目前となってきている時、にほんの製造業、取り分け、情報機器メーカー及びソフト産業は、どういう戦略でグローバルに立ち向かって行くべきか、を問うていた。また、幾つかの提案もしていた。彼が心配しているのは、日本のソフト産業である。グローバルなソフト企業が日本にいないことであり、これが、強いては日本の国力低下を暗に示威していると感じた。
最近のグーグルの戦略的な動きは読みづらいが、一歩一歩、進んでいる。グーグルの動きを事例に来る時代の準備に警鐘を鳴らし、また、日本の繁栄を期待している彼の想いが、この本を通して見えた。

大変面白い本であった。

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